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制作進行管理をうまく回すやり方とは?つまずきやすいポイント

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「原稿や素材が揃わず制作が止まってしまった」
「調整や確認に追われて一日が終わってしまう」

Webサイトや広告などの制作において、進行管理は欠かせない役割です。ただ、現場では体系立てて教わる機会が少なく、手探りのまま業務が始まってしまうことも多くあります。

そのため、実際に回し始めると「思ったよりうまくいかない」と感じる場面は少なくありません。

この記事では、制作進行管理のやり方に加え、うまく回らなくなる典型的なポイントと実務を改善するためのコツをお伝えします。

目次

制作進行管理は何をする人?整理しておきたい役割と仕事内容

制作における進行管理は、制作全体の流れを整理し、関係者がスムーズに制作を進められる状態を作る仕事です。

ただし現場では、仕事の範囲がはっきりしないまま、「管理=すべて自分で対応する役割」と捉えられてしまうことも少なくありません。

そこでまずは、制作における進行管理の仕事内容を整理します。

スケジュール・進行計画の作成

制作における進行管理は、制作全体の流れを整理し、進行計画を立てる役割を担います。

制作現場では、確認や差し戻しなどで進行が止まりやすいため、どの順番で進み、どこで判断や確認が必要になるのかを整理しておくことが必要です。

たとえばWebサイト制作の場合、要件定義、設計、デザイン、開発、テスト、公開といった工程に分け、どの工程をどの順で進めるかを整理します。そのうえで、「何が確認できたら次に進めるのか」といった節目を設定し、制作が前に進むための土台を作ります。

ここで求められるのは、細部まで完璧なスケジュールを作ることではありません。制作全体を俯瞰し、進め方の流れを整えることが、進行管理の役割です。

原稿・素材・要件の整理

制作を進めるためには、原稿の有無や内容の確定状況、使用する素材、制作上の条件やルールなどが明確になっている必要があります。進行管理は、これらを洗い出し、「揃っているもの」と「足りないもの」を整理します。

ここで重要なのは、進行管理が内容を補完したり判断したりする立場ではないという点です。

原稿は確定しているか、画像素材は用意されているか、仕様や修正ルールは共有されているか、といった点を確認し、足りない情報があれば、関係者に確認して制作に入れる状態を作ります。

進捗の把握

制作進行管理は、制作が進行している途中で、制作が止まりそうなポイントを把握し、前に進めるための確認や判断を促す役割を担います。

進捗の把握は、すべての作業を細かく追い、常に進行状況を監視することが目的ではありません。

たとえば、制作物は提出されているが確認が終わっていない、関係者の返答待ちで次の工程に進めない、といった状況を把握し、次に必要な確認や判断が何かを整理します。

関係者とのやり取り・調整

制作では、ディレクター、デザイナー、エンジニア、クライアントなど、立場の異なる人が関わります。そのため、確認内容や修正意図が正しく伝わらないと、認識ズレや確認漏れが起こりかねません。

進行管理は、こうしたズレが起きないよう、社内外の関係者とやり取りを行い、制作が前に進むよう調整する役割を担います。

たとえば、修正依頼が出た場合には、どこをどの基準で直すのか、誰の判断が必要なのかを整理し、関係者に伝えます。

制作進行管理をうまく回すための基本ステップ

制作進行管理をうまく回すためには、感覚や場当たり対応に頼らず、一定の順番で進めることが重要です。

ここでは、進行管理で押さえておきたい基本的なステップを解説します。

制作全体のゴールと制約条件を整理する

制作進行管理ではまず、進行中の判断や調整が場当たりにならないように、制作全体のゴールと制約条件を明確にします。

最初に整理するのは、「何が完成したらOKなのか」というゴールです。完成物の内容に加え、どこまでを制作範囲とするのか、誰の確認をもって完了とするのかまで言語化します。

あわせて、進め方に影響する制約条件を確認します。納期や体制、予算、素材の有無など、あとから変えにくい条件を先に押さえておくことが重要です。たとえば納期が固定であれば、調整は範囲や進め方で行う必要がありますし、体制が限られていれば、工程を詰めすぎない判断が求められます。

制作の流れを洗い出し、工程を分解する

ゴールと制約条件を整理したら、制作の流れを時系列で洗い出し、工程単位に分けます。

まずは、要件整理、設計、制作のように、制作がどの順番で進むか「確認が入る単位」で工程を書き出していきます。この段階では、タスクを細かく分解しすぎないことが重要です。

工程を分けることで、「誰がどの工程に関わるのか」「どこで確認や判断が必要になるのか」が見えやすくなります。確認者が多い工程や、差し戻しが起きやすい工程、外部の関係者が関わる工程は、進行が止まりやすいポイントとして把握でき、次のスケジュール設計や進捗把握が行いやすくなります。

スケジュールを立て、進行の目安を決める

工程を整理したあとは、進行中に判断できる目安としてスケジュールを立てます。

まずは、設計が完了したタイミングや、デザインの確認が終わったタイミングなど、「ここまで終わっていれば次に進める」という区切りを決めておきましょう。

あわせて、余裕をどこに持たせるかを考えます。確認や差し戻し、外部からの返答待ちが発生しやすい工程に余裕を持たせておくと、進行が崩れにくくなります。

スケジュールは、一度決めたら変えられないものではありません。進行中の判断や調整に使うための目安として、状況に応じて見直していくことが前提です。

制作に着手できる条件を確認・整理する

制作進行管理では、制作に着手できるかどうかを判断するために、原稿・素材・要件がどこまで揃っているかを確認・整理します。ここで行うのは、制作を始められる状態かどうかを判断できるよう、着手の最低条件を整理しておくことです。

重要なのは、「すべてが揃っているか」を確認することではありません。「最低限ここが揃っていれば進める」という判断の線を引くことが、このステップの目的です。

まず、制作に必要な条件を洗い出します。原稿・素材・要件について、「揃っている」「未確定」「まだない」に分けて整理すると、現状を把握しやすくなります。

次に、未確定の部分がどの工程に影響するのかを確認します。影響が後工程に及ぶ場合は、着手を見送る判断が必要になることもあります。一方で、影響が限定的であれば、進めながら調整する選択も可能です。

確認の際は、次のような観点で整理すると判断しやすくなります。

  • 原稿は、全体の構成や方向性が分かる状態か
  • 未確定の原稿がある場合、どの工程に影響するか
  • 使用する素材は揃っているか、後から差し替わる可能性はあるか
  • 仕様や修正ルール、確認の進め方は共有されているか

条件がすべて揃っていなくても、すぐに問題になるとは限りません。大切なのは、着手してよい最低条件を整理したうえで、進めるかどうかを判断できる状態を作ることです。

進行中は「進捗・確認・判断」を回す

制作が始まったあとは、進捗・確認・判断の流れを止めずに回すことが、制作進行管理の基本になります。

進行中は、制作が止まりやすいポイントに目を向けます。確認待ちや返事待ちが続くと、作業自体は終わっていても次に進めません。そのため、進行管理では状況を整理して共有し、判断が前に進むよう関係者に働きかけます。

このときの声かけは、遅れを責めるためのものではありません。制作を前に進めるために、次に必要な確認や判断を促すための調整です。

変更・調整が発生したときの対応を整理する

変更が出たときにまず行うのは、影響範囲の確認です。スケジュールに影響するのか、追加で関わる人は誰か、といった点を整理します。

影響が軽い場合は、進めながら対応する判断もあります。一方で、影響が大きい場合は、一度立ち止まり、関係者と認識をそろえる必要があります。「すぐ動くか、一度止めるか」の判断軸を持っているかどうかで、進行の安定感は大きく変わります。

差し戻しが続くときは、誰の判断でどこまで直せばOKなのかが共有されていないケースが多くあります。変更が出た際は、内容だけでなく、判断基準もあわせて確認することが大切です。

変更・調整への対応は、特別なトラブル対応ではありません。変更や調整は起きる前提で、落ち着いて対応する順番を持つことが重要です。

制作進行管理でよくあるつまずきポイント

制作進行管理がうまく回らないと感じる場面には、いくつか共通するつまずきがあります。

ここでは、現場で起こりやすい状態と、その背景にある構造を整理し、「なぜそうなりやすいのか」を見ていきます。

スケジュールは作ったのに、形だけになってしまう

スケジュールが実務で参照されず、形だけの存在になってしまっている状態は、制作進行管理でよく起こるつまずきの一つです。

初期に作成したスケジュールが更新されないまま放置されたり、関係者が進行判断の場で見ていなかったりすることで起こります。実際の進行とズレが生じても修正されないため、「どうせ合っていない」という認識が広がり、次第に参照されなくなります。

その結果、遅れや問題に気づくのが遅れ、調整が後手に回ります。スケジュールは存在しているのに、判断材料として機能していないため、都度バタつく進行になってしまいます。

制作に必要なものが揃わないまま、進行してしまう

原稿・素材・要件が十分に揃っていないまま制作が進み、手戻りや調整が繰り返される状態も、制作進行管理でよくあるつまずきです。

このつまずきは、「足りない部分は進めながら決める」という判断が積み重なることが原因です。

原稿の確定範囲が曖昧なまま制作に入ったり、素材や仕様が後から追加・変更されたりすると、その都度、修正や確認が発生します。

一見すると制作は動いているように見えますが、実際には確認や差し戻しが増え、制作を前に進められない状態が続きます。結果として、調整工数が膨らみ、品質の基準もぶれやすくなります。

進捗確認と調整だけで、一日が終わってしまう

連絡や確認、調整に追われ、一日が終わっても制作が前に進んだ実感がない状態も、制作進行管理でよく見られます。原因は、業務量の多さではなく、判断がうまく回っていないことです。

判断が遅れると、「確認する」「返事を待つ」「状況を聞く」といったやり取りが増えていきます。さらに、どこで制作が止まっているのかが見えていないと、進行に影響しない部分まで逐一確認する必要が出てきて、調整作業が膨らんでしまいかねません。

その結果、本来考えるべき判断や整理に時間を使えなくなり、今日決めるはずだったことが翌日に持ち越され、「忙しいが前に進んでいない」状態が続きます。

変更や差し戻しが重なり、コントロールできなくなる

変更や差し戻しが続き、何が最新で、どこまで対応すればよいのか分からなくなる状態は、制作進行管理で起こりやすいつまずきです。原因は、変更が入るたびに影響範囲を整理せず、その場で対応してしまうことにあります。

修正指示が断片的に増えると、どの変更がスケジュールや工数に影響するのかが見えにくくなります。結果として、対応の優先順位がつけられず、「とりあえず直す」対応が積み重なり、全体像を把握しづらくなります。

差し戻しや修正が重なってしまう背景には、判断基準や確認のゴールが共有されていないことがあります。どこまで直せば完了なのか、誰の判断で確定するのかが決まっていないと、「一度は直したはずなのに、別の観点で再度修正が入る」という状況が繰り返され、差し戻しが連鎖しやすくなります。

進行管理以外の役割まで、自然と背負ってしまう

進行管理の範囲を超えた業務を担っている状態も、現場では珍しくありません。たとえば、制作内容の判断や品質チェック、細かな修正対応まで担っているようなケースです。

役割や判断の境界が整理されていないと、誰が判断するのか、どこまでが進行管理の役割なのかが曖昧なまま進行してしまいます。その結果、判断や確認の行き先が定まらず、全体を把握している進行管理に対応が集まりがちです。

「とりあえず進行管理に確認する」という進め方が定着し、進行管理が本来の範囲を超えて対応する状況が生まれます。

制作進行管理を無理なく回すための改善のコツと選択肢

制作進行管理の基本的な進め方を押さえても、現場によっては負担が大きくなることがあります。

この章では、進行管理を無理なく回すための改善のコツと、取れる選択肢を解説します。

「今決めること」と「後で決めること」を分ける

制作進行管理では、すべてを最初に決めきろうとせず、「今決めること(進行に大きく影響する判断)」と「後で決めること(進めながら検討できる判断)」を分けて整理することが重要です。

制作の初期段階では、情報がすべて揃っていないのが通常です。その状態で細部まで確定しようとすると判断が重くなり、「決まらないから進めない」状況に陥りやすくなります。

たとえば、納期や体制、完成のOK基準などは、後から変えにくく、進行全体に影響します。一方で、表現の細部や具体的な進め方などは、制作を進めながら検討しても支障が出にくいケースがあります。判断の性質に応じて、どこまでを今決めるのかを整理することが大切です。

判断を後に回すことは、管理ができていないという意味ではありません。進行に影響が大きい判断を先に押さえ、それ以外は段階的に決めていくことが、制作を無理なく前に進めるための考え方です。

制作に着手するための最低条件を決める

制作進行管理では、完璧に揃っていなくても制作に着手できる「最低条件」をあらかじめ定義しておくことが重要です。

制作現場では、原稿や素材、仕様の一部が確定していないまま、「とりあえず進めよう」という判断が取られることがあります。ただし、着手条件が整理されていないまま進めると、後から要件や素材が追加され、修正や差し戻しが増えやすくなります。結果として、調整工数が膨らみ、品質の基準もぶれやすくなります。

たとえば、制作の目的や完成イメージが共有されているか、原稿や素材の確定範囲がどこまでか、といった点は、着手前に確認しておきたい最低条件です。すべてが確定している必要はありませんが、「ここまでは揃っていれば進める」という線引きがあると、判断が場当たりになりにくくなります。

繰り返し起こる作業は、テンプレート化する

制作進行管理では、繰り返し発生する作業をテンプレート化することで、判断や調整の負荷を下げられます。

制作現場では、依頼文の作成、確認時の観点整理、差し戻し時の連絡など、似たやり取りが何度も発生します。これらを都度ゼロから考えていると、判断に時間がかかり、抜け漏れや認識ズレも起きやすくなります。

テンプレートは、「何を考えればいいか」を毎回迷わないための土台として機能します。判断の入口を揃えることで、確認の粒度が安定し、調整もスムーズです。

ツールを活用して、管理の負荷を下げる

進行管理の負荷が大きく感じられる背景には、確認や共有、判断の回数が増えていることがあります。こうした負荷は、ツールの使い方次第で軽減できます。

進行管理ツールは、進捗状況ややり取り、履歴を一か所にまとめ、状況を見える形にすることが得意です。情報が整理されることで、同じ確認を何度も行う必要がなくなります。

一方で、ツールだけで解決できない領域もあります。どこまで進めてよいか、誰が判断するのか、変更が入った際にどう整理するかといった点は、ツールでは決められません。判断の基準や役割が曖昧なままでは、ツールを使っても調整は減りにくくなります。

体制を見直して、進行管理が集中しすぎないようにする

制作進行管理を無理なく回すためには、業務が一人に集中しない体制を整えることが重要です。誰が判断するのか、どこまでが進行管理の役割なのかを明確にしましょう。

判断や確認の行き先が整理されていれば、「とりあえず進行管理に確認する」という流れが減り、業務が特定の人に集まりにくくなります。

体制の見直しは、大きな改革を意味するものではありません。判断の担当や役割の境界を整理するだけでも、進行管理の集中は緩和されます。

人材を使う、という選択肢を検討してみる

制作進行管理を無理なく回すためには、必要に応じて人材を使うという選択肢を持つことも有効です。すべてを自社や個人で抱え込まないことで、進行が止まるリスクを下げられます。

制作進行管理の負荷は、案件数やタイミングによって一時的に偏りやすい特徴があります。体制をすぐに変えられない場合でも、外部の人材を活用することで、進行に関わる調整や整理の負荷を分散できます。これは、進行管理そのものを任せるというよりも、制作を前に進めるためのリソースを補う考え方です。

人材を使うというと、すべてを任せる、丸投げするといったイメージを持たれがちです。しかし実際には、案件や工程に合ったクリエイターとつながることで、進行がスムーズになるケースもあります。プランニングや設計、デザイン、実装、運用といった制作工程の一部を適切に補完できれば、進行管理の判断や調整も軽くなります。

進行管理の負担を減らす選択肢としての「thinc Agent(シンクエージェント)」

制作進行管理は、やり方や考え方を整理することで、無理なく回せる状態に近づけます。
ゴールや制約条件を整理し、着手条件を決め、判断を分け、テンプレやツールを使う。こうした工夫を積み重ねることで、進行管理の負担は確実に軽くなります。

一方で、どれだけ整理しても、案件の重なりや体制の制約によって「これ以上は一人で抱えきれない」場面が出てくることもあります。そのときに検討したいのが、人材を使うという選択肢です。

「thinc Agent」は、制作内容やフェーズに応じて、適したクリエイターと出会えるマッチングサービスです。プランニングや設計、デザインなど、必要な工程に対応できる人材とつながることで、「進行が詰まる原因そのもの」を減らすことにつながります。

進行管理の負担が整理だけでは解消しきれないと感じた場合は、thinc Agent を一度検討してみてください。

thinc について

クリエイティブに考える人のためのプラットフォーム「thinc」

「クリエイターが輝ける社会を創造する」という当社のミッションを実現するために、「Think Creative」=「クリエイティブに考えよう」という意味を込めた「thinc(シンク)」というプラットフォームを展開しています。
クリエイターが自らの能力・スキルを武器にいつでも、どこでも働くことができる「thinc Workplace」。全国各地のクリエイターにスポットライトをあて、新たな才能の発掘とキャリア形成を支援する「thinc Growth」。そしてクリエイターがより生産的な業務に専念することを可能にする「thinc Project」。
この3つの領域において、さまざまなサービスを展開してまいります。

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